エボラウイルスの感染によって起きる病気で、必ずしも、出血を伴うわけではないので、エボラウイルス病と呼ばれるようになりました。エボラウイルスは、おもにコンゴ民主共和国などアフリカ中央部で発生し、1976年から30回を超える流行が繰り返されています。
感染経路
- 患者の血液や、吐物、便などに、皮膚の細かな傷や眼や口の粘膜が接触することで、ウイルスが体内に侵入し感染します。
- エボラウイルスは、空気中には漂いませんので、空気を吸い込んで感染することはありません。(空気感染はない)
- ただし、患者が、近距離で、咳やくしゃみをすると、吐物などの飛沫が飛び散り、眼や口、鼻から感染する可能性があります。
- 自然界ではオオコウモリ、サル、チンパンジー、ゴリラ、レイヨウ、ヤマアラシなどがウイルスを保有していると考えられます。
- 感染したサルなどの血液、分泌物、排泄物、唾液などとの接触でも感染する恐れがあります。
- 流行地域の洞窟に入ると、感染したコウモリと接触する危険性があります。
症状
- エボラウイルスに感染すると、2−21日(平均1週間)の潜伏期の後、
- 突然の発熱、頭痛、倦怠感、咽頭痛などから始まり、
- 嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)などの症状が現れます。
- 下痢は大量で、重症では10Lを超えることもあります。
- 肝機能、腎機能の異常を伴う
- 結膜充血など眼の症状が早期に現れることがある
- 重症化すると、出血や意識障害、ショック症状を起こし、死亡する
- 致死率は90%に及ぶことがあります(平均50%)
検査
- 検査は、ウイルスを検出するための特別な検査が必要で、一般の医療機関では行っていません。
治療
- 現時点で、科学的に治療効果が証明されている薬はありません。ワクチンもありません。症状に応じた治療を行います。
<参考>
国立感染症研究所「エボラ出血熱とは」
厚生労働省「エボラ出血熱について」
厚生労働省検疫所「エボラウイルス病(エボラ出血熱)」
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