ムンテラとインフォームド・コンセント

患者さんやその家族に病気の状態や治療の内容、今後の見通しなどを説明することを、業界用語でムンテラといっている。これはドイツ語のMund therapyの略らしいが、mund=口、therapy=治療の意味がある。
ムンテラを一般的な用語でいうと、インフォームド・コンセントということになる。インフォームド・コンセントは、医者が妥当と判断した治療を提案し、患者さんがそれに納得し同意の上で、その治療を行っていくことである。最終的な判断は、患者が決めるということだ。
ただ、ムンテラとインフォームド・コンセントは少しニュアンスが違うような気がしている。ムンテラはその中にtherapyの意があるように、単なる説明だけでなく、共感や励ましなどが含まれている。インフォームド・コンセントは、もっとドライな医者-患者関係のようにも思える。それはある種の契約であり、患者に治療の最終的な判断を委ねることになる。
医者の独善的な判断で治療が失敗すれば、いまの訴訟社会では医者のキャリアが終わる。かといって、これはあなたが選んだ治療ですから、あなたの自己責任ですよというドライな関係もどうだろうか。
いわば医療のソムリエとして医者が信頼を得るためには、僕たちが知識と経験を積むのはもちろんのこと、本物をわかってもらえるだけの知識や常識をみんなが勉強していくことが大事なんじゃないだろうか。

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2 件のコメント

  • 私は業界に携わるものとして常々感じていることがあります。「インフォームド・コンセント」は一番メジャーな言い換えが「説明と同意」ですが、実際の場面ではこの言い換えに省かれている重要な部分が抜け落ちてしまい、「説得と承諾」というものになってしまっていることが多いような気がするのです。 
    専門的な知識は一般人がどんなに勉強しても医者にはかないません。だけど、自分または家族の人生を決めようとする時には、やはりそれなりの努力が必要だと思うのです。ネットで検索すると「上手にインフォームド・コンセントを受けるために」などのページがあったりします。そういうことがもっと一般の方に広まればいいな、と思います。

  • 大福きなこさん、コメントありがとうございます。誰かにわかりやすく、しかもニュートラルに説明するのは本当に難しいものです。ましてや、知識レベルの違う人間通しが理解しあうのは大変なことだといつも思っています。医知場というHPを運営しているのも、患者さんと医療者が同じ土俵で最良の判断をして欲しいといつも思っているからです。良い医療を受けるために、患者さんも賢くなって欲しいのです。良い果実を見きわめる目を養うお手伝いがしたいのです。

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