百日咳は、もともと子供に多い病気で、小児科以外の医者は滅多にみることはない病気です。しかし、成人からも百日咳患者の報告が続いています。ワクチンの効果は5-10年程度といわれており、子供の頃にワクチンを受けていても感染する可能性があります。大人が感染した場合、典型的な症状がでないことも多いのですが、大人で咳が長引いている場合は、百日咳の可能性を考えておく必要があります。
百日咳とは
症状:経過は3期に分けられます
- カタル期(約2週間):最初は、ふつうのかぜ症状で始まり、発熱はあまりないが、次第に咳の回数が増えて、咳の程度もひどくなる。
- 痙咳期(約2−3週間持続):1-2週のうちに、百日咳に特徴的なけいれん性の咳を繰り返すようになる。この時期の咳は、顔を真っ赤にしてコンコンと立て続けに激しく咳き込み、最後にヒューと音を立てて息を吸い込む。咳は夜間に多く、咳の発作がないときは熱もなく健康な状態とあまり変わらない。咳のために、顔がむくむことがある。しばしば、嘔吐を伴う。
- 回復期:激しい発作は次第に減り、2−3週間でなくなるが、ときおり忘れた頃に発作性の咳がでる。全経過は約2−3ヶ月。
原因
- 百日咳菌
潜伏期間
- 7-10日間
感染経路
- 患者の咳やくしゃみによる飛沫感染や接触感染
- 初期に感染力が強い
検査
- 遺伝子検査:鼻腔からの検体を使ったPCR(LAMP)法
- 血清診断:百日咳菌に対する抗体検査
治療・予防
- エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌
- ワクチン
<参考>
国立感染症研究所HP(2020/4/15閲覧)
「百日咳とは」
「全数報告サーベイランスによる国内の百日咳報告患者の疫学(更新情報) -2019年疫学週第1週~52週-」
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