アドボカシーでスティグマに立ち向かう

盾を持つ人

どうも、日本人は大事な概念をカタカナ英語でごまかしてしまう習性があるようです。スティグマとアドボカシーは、ざっくり言えば、差別と擁護(ようご)のことです。とくに医療の中で問題になっている患者さんへのスティグマ、それを擁護し、患者さんを支援するアドボカシー活動について、解説をしたいと思います。

  • スティグマ=差別、偏見
  • アドボカシー=擁護、支援

「スティグマ」は烙印という意味で、人種や社会的身分、職業、ジェンダー、病気や障害などを持っていることで偏見や差別を受けることです。とくに、医療の世界では、糖尿病・肥満症などの生活習慣病、認知症、COVID-19・HIVなどの感染症、うつ病などの精神疾患の患者さんが「スティグマ」の対象になることがあります。自分で引き起こした病気だと周りから決めつけられ、社会的な差別を受けてしまうのです。

スティグマを受ける患者さんを擁護する運動を「アドボカシー」といいます。アドボカシー (advocacy) は、権利の擁護や代弁者、支援者といった意味で使われます。とくに、医療の現場では、自分の意思や権利をうまく伝えることのできない患者や高齢者の、代弁をするといった意味で使われます。

医療におけるアドボカシーでは、インターネットやソーシャルメディア、マスメディアでの発信を通じて、社会運動・啓蒙活動を広げることが効果的なアプローチとなるでしょう。アドボカシーは、差別や偏見に声を上げ、広く社会的な活動にしていくものです。たとえば、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会では、医師と糖尿病のある人の立場からアドボカシー活動の一環として、患者に偏見をもたせるような用語の見直しを行っています。たとえば、「療養」を「治療」、「指導」を「支援・サポート・教育」、「糖尿病患者」を「糖尿病のある人」などに見直しをはかり、負のイメージを少しでも払拭するようによびかけています。

<参考>
日本糖尿病学会・日本糖尿病協会合同 アドボカシー活動

はんこ

スティグマ、患者に押された烙印

2022年7月13日

2 件のコメント

  • アドボカシーでスティグマに立ち向かう
    の習性が修正となっているので修正を修正してください。

    • ご指摘、ありがとうございます。
      さっそく、修正を習性に修正しました。
      今後とも、よろしくご指導ください。

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