脳動脈瘤とは、脳の血管の壁がこぶのようにふくれた状態のことです。9割以上が、脳ドックなどの健診でMRI検査をして、偶然に見つかります。一般住民の約3%にあるといわれています。私も、ドックや外来で、たまたま脳動脈瘤を見つけては、脳外科の先生と相談しています。
こうした脳動脈瘤を放っておくとどうなるのかという、日本人のデータが、N Engl J Med (2012; 366: 2474-2482)に発表されています。
その報告によると、
- 動脈瘤の破裂は、全体で、年に1%程度です。
- 破裂リスクは、径が7mm以上になると上昇し、とくに25mm以上では3-4mmの76倍にも上昇します。
- 動脈瘤の場所によっても破裂リスクは変化し、前交通動脈、後交通動脈では、中大脳動脈より破裂リスクが高くなります。
- 動脈瘤の形でもリスクは変わり、動脈瘤の壁に不規則な突起があるものでは、破裂リスクが増えることがわかりました。
こうした日本人のデータは、脳動脈瘤の治療方針を決める上で、大変意義深いことです。
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