鼻の奥に綿棒を突っ込んで、インフルエンザの検査を受けたことがあるでしょう。わずか、数分で結果がわかる診断キットは、たいへん便利で、感度も高い検査ですが、万能な検査というわけではありません。
インフルエンザにかかったばかりの、ウイルスの量が少ない時期に検査をすると、検査では陰性と判定されることがあります。検査キットでは、一定量以下のウイルスには、反応しないことがあるからです。
熱がでたばかりのときは、まだ、ウイルスの量が少ないので、たとえ、インフルエンザにかかっていても検査でわからないことがあります。大まかな目安として、熱がでてから12時間以上立っていれば、検査結果の信頼性は高いと考えられています。
「前日に39度の熱がでたので、クリニックに行ったら、インフルエンザの検査は陰性と言われた。」ところが、翌日に、別のクリニックで再検査をしたら、インフルエンザでした。
そんなことが、よくあります。最初のクリニックで検査をしたときには、まだ、インフルエンザウイルスの量が少なかったのです。
インフルエンザの検査キットは非常に便利なのですが、逆に、この検査で陰性と判定されると、いくら、状況証拠としてはインフルエンザが怪しくても、医師はインフルエンザの薬を処方しにくくなります。
検査が陰性なのに、なぜ、インフルエンザなのか。と言われれば、今までの説明を理解してもらわなくてはなりません。
しかし、同居している人がインフルエンザにかかっていたり、施設や学校などで流行しているときなど、検査結果にかかわらず、医師の診察で、インフルエンザと診断し、インフルエンザの治療をすることがあります。
もちろん、インフルエンザ検査キットが有効な検査であるのは間違いないのですが、それが万能の検査のように思われると、かえって、必要な患者さんに薬を処方できなくなってしまうジレンマを抱えてしまいます。
日本はインフルエンザの検査に頼りすぎているので、明らかにインフルエンザが疑われるときも、検査結果が陰性だと、薬が処方しにくい風潮があります。
検査が陰性で、インフルエンザの薬をだして、副作用がでた場合、医師の責任になるのではないかと心配するからです。
また、インフルエンザが治ったかどうかを証明してほしいといって、検査を希望される方、証明書をだしてくれという方がいます。インフルエンザが治ったかどうかは、症状が決めることで、検査で判定するものではありません。
インフルエンザの薬を使えば、当然、ウイルスの量が減るので、検査が陰性になるのは当たり前です。しかし、治療をしても、一定期間は感染する可能性があります。ですから、解熱後2日間、または、熱がでて5日間は、学校や会社を休むように指導されているのです。
簡単にインフルエンザの検査ができて、すぐにインフルエンザの薬を処方してもらえる国は日本だけです。だからこそ、検査を何度もするような医療費の無駄遣いは控えたいものです。
オレゴン州のインフルエンザ状況ですが、地元の新聞によると、どうやら、多めのようです(私の周りでは幸いかかった人はいないです)。
新種のウイルスでインフルエンザにかかる人が多いようですが、万能ではなくとも、予防接種を受けることが大切とのことです。
また地元のある大手病院では、入病制限(restrictions on visitors)をするほどインフルエンザの患者が多いとありました。
検査陽性の人が1/3で通常一桁のものが、今年は35人以上が入院しているそうです(一月上旬時)。
他方、もう一方の大手病院では、例年と変わらないとのこと。
ほぼ同じ北西の地域にありながら、この違いはなんだろうと、自分はこの点を疑問に思いました。
かたや、東オレゴンの方では、急増しているとのことです(まあ、オレゴン州だけでも、広大です。東の方は西に比べると、人口も少なく田舎であります)。
全米でみると、5つの州だけが地域的発生で、その他全ての州で全域的発生とありました、やはり、蔓延しているのですね。
私は毎年会社で予防接種を受けています(出張サービス)、妻と子供は病院で受けています。
ちなみに予防接種の値段ですが、オリジナルで$25、高調剤?(high dosage)で$50、と某有名ストアーのサイトにありました。
思ったほど高額でもないですね。保険のある人は、無料なので受ける人が多いでしょうが、無い人は結構受けないんじゃあないかなあと思います。
でも、そういった人がかかるリスクが高くなるところに、この国の医療制度の問題もあるのでしょう。
とにかく、今後これ以上ひどくならないようにと願います・・・。
保険金のことではお話ししたいことがありますので、また書き込みします。
では、また、がんばってください!