ギャンブル依存症、わかっちゃいるけどやめられない

ギャンブル依存症

ギャンブル依存症は、正式にはギャンブル障害といい、ギャンブルが娯楽の範囲にとどまらずに、やめたほうがよいとわかっていても自己制御できずに繰り返す状態です。高額な借金、家族関係の悪化、犯罪行為、自殺などと結びつく深刻な問題の原因となります。

日本のギャンブル産業は、パチンコ・パチスロが20兆円、競馬、競輪、宝くじなどの公営ギャンブルが6兆円という巨大な市場規模を持っています。わが国では、パチンコやスロットの遊技場がどこにでもあり、ギャンブル障害に苦しんでいる方は、成人男性の9%、女性の2%ともいわれ、海外の調査結果と比較しても高い割合です。

ギャンブル障害に特徴的な症状

  • ギャンブルへの強烈なとらわれ
  • 勝負の結果へ慣れてしまい、勝っても興奮せず、借金も平気になる
  • ギャンブルへの強い欲求や渇望
  • 自己制御できない
  • 経済的、家庭的、職業的危機などの問題が伴い、自殺や犯罪へ深刻化することがある

ギャンブル障害の診断基準(DSM-5)

臨床的に意味のある機能障害または苦痛を引き起こすに至る持続的かつ反復性の問題賭博行動で、その人が過去12か月間に以下の4つ(またはそれ以上)が当てはまる

  1. 興奮を得たいがために、掛け金の額を増やして賭博をする要求
  2. 賭博をするのを中断したり、または中止したりすると落ち着かなくなる。または、いらだつ
  3. 賭博をするのを制限する、減らす、または中止するなどの努力を繰り返し成功しなかったことがある
  4. しばしば賭博に心を奪われている(例:過去の賭博体験を再体験すること、ハンディをつけること、または次の賭けの計画を立てること、賭博するための金銭を得る方法を考えること、を絶えず考えている)
  5. 苦痛の気分(例:無気力、罪悪感、不安、抑うつ)のときに、賭博をすることが多い
  6. 賭博で金をすった後、別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが多い(失った金を深追いする)
  7. 賭博へののめり込みを隠すために、嘘をつく
  8. 賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある
  9. 賭博によって引き起こされた絶望的な経済状況を免れるために、他人に金を出してくれるように頼む

過去12か月で4項目以上あれば、ギャンブル依存症。4-5項目は軽度、6-7項目なら中等度、8-9項目を重度としています。
(日本精神神経学会監修:DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル.医学書院,2014)

ギャンブル障害のスクリーニングテスト:PSGI日本語版

  • 以下の9つの質問について、過去12か月間のあなたの状況に最もあてはまるものにチェックしてください。
  全くない時々大抵の場合ほとんどいつも
1どのくらいの頻度で、失っても本当に大丈夫な金額以上のお金を賭けましたか0123
2どのくらいの頻度で、同じだけの興奮の感覚を得るために。それまでよりも多くの金額をギャンブルに費やさねばなりませんでしたか0123
3どのくらいの頻度で、ギャンブルで負けた金額を取り返そうと別の日にギャンブルをしに戻りましたか0123
4どのくらいの頻度で、ギャンブルをするお金を得るために借金をしたり、物をうったりしましたか0123
5どのくらいの頻度で、自分がギャンブルに関して問題を抱えているかもしれないと感じましたか0123
6どのくらいの頻度で、あなたがそのとおりだと思うかどうかにかかわらず、周囲の人々があなたが賭け事をすることを批判したり、あなたがギャンブルの問題を抱えていると言ってきたりしますか0123
7どのくらいの頻度で、自身のギャンブルのやり方や、ギャンブルの結果として起こることについて悪いとか申し訳ないと感じましたか0123
8どのくらいの頻度で、ギャンブルが健康問題を引き起こしましたか。これにはストレスや不安も含みます0123
9どのくらいの頻度で、ご自身のギャンブルによって、あなたやご家庭に金銭的問題が引き起こされましたか0123
(So R, et al : Addict Behav 2019 ; 98 : 105987)

27点満点で、1-2点は低リスク、3-7点は中リスク、8点以上で問題のあるギャンブルと判定されます。

ギャンブル障害は、特徴的な徴候がなく、自ら相談することはほとんどないので、問題を発見することが非常に困難です。ギャンブルの問題が深刻になり、強いストレスを感じるようになると、頭痛やうつ、不安、不眠といった症状を訴え、医療機関を受診することもありますが、それがギャンブルの問題と見抜ける医師は少ないと思います。飲酒や喫煙だけでなく、ギャンブルの問題もとりあげ、スクリーニングテストの回答をもとに、必要に応じて介入するフローチャートが提案されています。

<参考>
依存症対策全国センター https://www.ncasa-japan.jp/

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