ある病院から紹介を打診された患者さんの名前に聞き覚えがあった。
報告書を見ると、以前の職場で、長い間、私の外来に通院してもらっていた患者さんだった。その頃は、病状が安定していたので、同じ薬を繰り返してだすばかりだった。外来にはバスで通い、いつも笑顔で、しっかりとした声で受け答えをし、真剣に私の話を聞いてくださる優等生の患者さんだった。
それが、今年の春に、腸炎をこじらせて、私の以前の病院に入院したらしい。そこから、腎臓まで悪くなり、さらに別の病院に移り、ほとんど寝たきりになって、私の新しい職場に紹介されてきた。
はつらつとした姿の当時の記憶しかない私は、愕然とした。寝たきりの生活が続き、筋力が衰えて、身動きがとれない、廃用症候群という状態になっていた、
鼻からチューブを入れられ、ガリガリにやせ細った彼から、弱々しい声で「お久しぶりです」と返事があった。
こんな偶然もあるものだなと思っていたが、ご家族に聞くと、わざわざ、私の名前をインターネットで捜して、この病院に来てくれたらしい。
おひさしぶりです。そして、ありがたいです。
全部放り出して辞めたくなるときも多いのですが、ときどき、こんなことがあると、医者冥利に尽きる思いがします。この方を、自分で食事ができるようになり、車いすで帰すことができたら、私たちのスタッフの勝利です。最高のパフォーマンスをだしてくれるスタッフに囲まれていますから、必ず、良い結果が生まれる。
そう信じています。
先生を慕って来られた患者さんのご冥福をお祈りいたします。
新しい職場をインターネット探してまで、来院された患者さんは、以前の病院における先生の
対応が、心地よかったのでしょう。再会された患者さんの快方に努力された先生をはじめ、
スタッフの皆様を想像し、ご苦労様でしたと申し上げます。
亡くなられた患者さんも、自ら選択した最善に医師のもとで治療して頂き、悔いなく他界されたと
思います。
今どき、心温まるお話ありがとうございました。
竹下様、いつも暖かいお言葉をいただき、ありがとうございます。
元気にしてお返しするつもりで、リハビリのスタッフ、看護師のみなさんも一生懸命やってくれたのですが、
現実は、厳しいものがありました。
健康な生活というものは、とくに高齢の方では、微妙なバランスの上に成り立っているもので、
いったん、そのバランスがくずれると、あっという間に病状が変化してしまいます。
患者さんから、また、いろいろと教えていただきました。
心から、ありがたいと思っています。
再会を果たした患者さんは、昨日、お亡くなりになりました。
私も、スタッフも努力をした結果ですが、病気の勢いに逆らうことができませんでした。
心から、ご冥福をお祈りいたします。
お久しぶりです。先生の医知場楽しみに拝見させて頂いております。長く勤務していると、患者さんの人生を共に過ごしているように、感じる時があります。その中で私たちの役割はなんだろう、その人の役に立てているかな?と反省するばかりです。この患者さんが、車椅子に座り、笑顔で過ごせることを信じています。先生、スタッフのみなさん応援してます!
東鶴さん、いつも医知場をご覧いただき、ありがとうございます。
再会した患者さんは、まだ、リハビリが始まったばかりで、
期待と不安が交錯しています。
私たち、医療スタッフができることは、プロとしてのスキルを伸ばすことはもちろんですが、
いかに、誠実さを尽くすことができるかだと思います。
私の病院に来て頂き、
そして、私の患者さんになって頂いたのですから、
その環境のなかでできる、best of bestを提供したいです。
もちろん、職場としての病院には、医療の質、経営状況など、
ひとりでは越えられない壁がたくさんあるのですが、
自分たちのスキルと誠意は、必ず、患者さんに届いていると信じています。
お互い、これからも頑張りましょう。