脳の動脈が一時的に詰まって麻痺などの症状がでるが、自然に再開通して、24時間以内に後遺症を残さずに回復する病気を、一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)といいます。
詰まる血管が脳のどこの働きを抑えるかで
- 手足の力が入らない、
- しびれる、
- 感覚がない、
- 目が見えない、
- 視野の一部が欠ける、
- 二重に見える、
- バランスがとれずに歩けない、
- ぐるぐると目がまわる、
- などの様々な症状があらわれ、2-15分ほどで、もとに戻ります。
一過性脳虚血発作は、完全に血管が詰まって脳の一部が死んでしまう脳梗塞の前兆です。
ABCD2スコア
一過性脳虚血発作から脳卒中が起きるリスクを予測するための尺度として、ABCD2スコアが使われています。
A (A) | 60歳以上 | 1点 |
B (Blood pressure) | 収縮期血圧≧140mmHg かつ/または 拡張期血圧≧90mmHg | 1点 |
C (Clinical features) | 片側脱力 脱力を伴わない言語障害 | 2点 1点 |
D (Duration of symptoms) | 60分以上 10-59分 | 2点 1点 |
D (Diabetes) | 糖尿病あり | 1点 |
- ABCD2の合計点 = 一過性脳虚血発作発作後2日以内の脳卒中リスク
- 0-3点 = 1.0%
- 4-5点 = 4.1%
- 6-7点 = 8.1%
- とくに4点以上が高リスク
一過性脳虚血発作は緊急を要する疾患です。
体の異常があったときは、元に戻ったといっても安心できないことがあります。脳梗塞の危険性が高い発作は、すぐに入院して治療が必要になるので、症状がおさまったからとって、放っておかずに、すぐにかかりつけ医に相談し、神経内科や脳神経外科などの専門医の診断をうけるかどうかの判断を仰いでください。
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