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よくわかる診療報酬2012 – 検査の料金
医学は日進月歩です。聴診器ひとつで診察をしていた時代ははるか彼方となり、今は検査データが診断や治療の大きな柱となりました。検査漬け医療の批判もありますが、検査をしなければ正確な判断は不可能です。その値段ははたしていかほどでしょうか。
検査はおおまかに、尿、便、血液など患者さんからとったサンプルを検査する検査(検体検査)と、心電図や超音波検査などの機械を使った検査(生体検査)に分けられます。検査の料金は、検査の測定をする料金(検査料)と、その結果を判断する料金(判断料)の合計です。一部の検査には、検査料のなかに判断料が含まれるものもありますが、とにかく、
検査の料金=検査料+判断料
と考えてください。
1.検体検査
まずは、検体検査です。検体とはサンプルという意味です。
便検査:
潜血反応は、便に血が混じっているかどうかの検査です。検査料が9点で判断料が34点ですから、料金はあわせて43点となります。
注) 潜血反応は肉などに含まれるヒト以外の血液に反応することがあります。ヒトの血液(ヘモグロビン)にだけ反応する免疫学的潜血反応を行った場合は37点です。
尿検査:
尿一般検査はいわゆる検尿のことで、尿に血液やタンパク、糖などがでているかどうかの検査です。この料金は判断料込みで26点です。尿をさらに詳しく顕微鏡でみる尿沈査顕微鏡検査は、検査料25点+判断料34点=59点です。便検査と尿検査の判断料は、あわせて月に1回のみ計算しますので、月に何回、便検査や尿検査を受けても判断料は1回分の料金しか、かかりません。このルールはほかの検査にもあてはまります。おなじグループの検査を月に何回行っても、判断料は1回分の値段です。
|
検査料
|
判断料
|
合計
|
|
|
便潜血
|
9
|
34
|
43
|
|---|---|---|---|
|
尿一般
|
26
|
0
|
26
|
|
尿沈査
|
25
|
34
|
59
|
血液学検査:
血液一般検査は、赤血球数(貧血のときに下がる)や白血球数(細菌に反応して上がる)をはかる検査で、検査料は21点です。顕微鏡で血液の中味をくわしく調べる検査が、血液像の検査で、検査料18点です。糖尿病の程度をみるHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)は50点です。検査判断料125点です。
|
検査料
|
判断料
|
合計
|
|
|
血液一般
|
21
|
125
|
146
|
|
血液像
|
18
|
143
|
|
|
HbA1c
|
50
|
175
|
生化学検査 I:
みなさんがよく検査する採血検査の代表です。この検査によって、肝臓や腎臓など内臓の状態をチェックすることができます。検査項目ひとつひとつに検査料がつけられていますから、検査料は検査をした項目の点数を合計したものになります。これに判断料144点が加わります。ただし、一度にたくさんの検査項目を測定できないように、検査項目数の制限が加えられています。たとえば、一度に10項目以上の検査をしても、検査料は123点までしか請求できません。
|
検査料
|
判断料
|
合計
|
|
|
1項目につき
|
11-
|
144
|
検査料の合計+144
|
|
5-7項目
|
95
|
239
|
|
|
8・9項目
|
104
|
248
|
|
|
10項目以上
|
123
|
267
|
せっかくですから、それぞれの検査項目の意味を簡単に説明しておきましょう。
・TP (総タンパク), アルブミン:栄養状態を表します。
・総ビリルビン, GOT, GPT, LDH, アルカリフォスファターゼ, γ-GTP:
肝臓が悪くなると数字が上がります。とくにγ-GTPはお酒を飲みすぎると上がります。
・アミラーゼ:膵臓に炎症があると、高くなります。
・CPK:筋肉に炎症があると、高くなります。
・総コレステロール, 中性脂肪:血液中の脂分のことです。
・HDL-コレステロール:動脈硬化を抑える善玉のコレステロールです。
・LDL-コレステロール:動脈硬化を進行させる悪玉のコレステロールです。
・尿素窒素, クレアチニン:腎臓の機能を表します。
・尿酸:痛風や尿路結石のもとになります。
・Na (ナトリウム), K (カリウム), Cl (クロール):ミネラル(電解質)のバランスを表します。
生化学検査 II:
甲状腺ホルモンなど内分泌(ホルモン)検査と腫瘍マーカーが含まれます。腫瘍マーカーは、がんが大きくなると増えてくるたんぱく質で、がんの患者さんの診察や治療の効果判定に重要な検査ですが、がんになると必ず増えるというものではありません。検査項目数が増えるほど割安になるように料金が決められているのは、生化学検査Iとおなじです。料金は検査料に判断料144点を加えます。
免疫学検査:
病気の原因となる細菌やウイルスに対する体の反応をみる検査です。溶レン菌(小児に集団発生する細菌)、肝炎ウイルス、エイズ(ヒト免疫不全ウイルス;HIV)などの検査が含まれます。判断料は144点です。
微生物検査:
痰や尿中の細菌を顕微鏡で観察して、原因となる細菌をみつける検査です。細菌を培養して原因菌をはっきりさせる検査が、細菌培養同定検査です。痰の培養で140点、血液150点、尿130点です。原因菌がわかった後は、どの抗生物質が効くかを細菌感受性検査で判定して、最適の抗生物質を選びます。感受性検査は1菌種140点、3菌種以上230点です。微生物検査の判断料は150点です。
病理学検査:
手術や内視鏡検査などで体の一部(腫瘍などの組織)を取ってきて、顕微鏡で悪性かどうかを判定する検査です。この検査は、腫瘍が悪性かどうか、手術がきちんと行われたかどうかを決める大変重要な検査です。組織を薄い切片にして顕微鏡で観察できる状態にするまでの検査料が880点、良性か悪性かを診断する判断料が150点です。
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