新型コロナウイルス、新型肺炎|いまわかっていること、できること

コロナウイルス

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が、世界的な流行をおこしています。

症状

感染から1日から14日(多くは5日程度)の潜伏期間の後に、次のような症状が現れます。他人への感染は、発症する2−3日前より始まり、発症直後が感染力が最も強くなります。

  • 発熱
  • 咳が長引く(1週間前後)
  • 強い倦怠感(だるさ)
  • 息切れ、息苦しさ(呼吸困難)
  • 胸の痛みや圧迫感
  • のどの痛み
  • 味や匂いがしなくなる(若年者、女性に多い)
  • 下痢、嘔吐(10%未満)
  • すぐに診察を受けなければならない危険な症状
    1. 息苦しい、息切れ、呼吸困難、唇や顔色が青ざめる
    2. 胸の持続的な痛みや圧迫感
    3. 意識がもうろうとする、言葉がしゃべりにくい、体が動かない

80%の方はとくに治療せずに回復しますが、6人に1人は重症化し、呼吸困難となります。高齢者や他の病気(高血圧、心臓病、糖尿病など)で治療中の方は重症化しやすい傾向があります。とくに、発熱・咳に息苦しさを伴う場合は、注意する必要があります。

血栓症の合併症をおこす危険性があります。若年者で脳梗塞をおこしたり、小児で川崎病に似た症状をおこす例が報告されています。

臨床症状と頻度

臨床症状頻度
発熱(38℃以上)44-94%
68-83%
嗅覚および/または味覚消失-70%
のどの痛み、鼻水、鼻づまり5-61%
息切れ11-40%
倦怠感23-38%
筋肉痛11-15%
頭痛8-14%
混乱・錯乱9%
吐き気、嘔吐、下痢3-17%
無症状-20%
Brigham and Women’s Hospital COVID-19 Clinical Guidelines
https://covidprotocols.org/protocols/clinical-course-and-epidemiology/

経過

新型コロナウイルス感染症の経過
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第2版」厚生労働省

致死率

年齢別にみた致死率
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第2版」厚生労働省

帰国者・接触者相談センターに相談する目安

  • 少なくとも以下のいずれかに該当する場合には、すぐに御相談ください。
    • 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
    • 重症化しやすい方(*)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
      • (*) 高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
    • 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合

直接、医療機関を受診せず、まず、最寄りの保健所等に設置されている「新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター」へお問い合わせください。

PCR検査について

PCR検査はウイルス遺伝子の一部を増幅させることで、採取したサンプルにウイルスがいるかどうかを検査する方法です。この検査によって、きわめて微量のウイルスの存在を調べることができます。増幅した遺伝子には、病原性はありません。

どのようにして感染するのか

  • 飛沫感染:感染者のくしゃみや咳、唾液などに含まれているウイルスを、他人が吸い込んで感染します。人ごみの多いところで感染する機会が増えます。
  • 接触感染:感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りのものにさわるとウイルスが付着します。他人がそのウイルスを触り、その手で口や鼻、眼などを触ると粘膜から感染します。電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなどが危険です。
  • エアロゾル感染(可能性あり):感染者に対する気管内挿管,気管支鏡検査,ネブライザー吸入,気道吸引, 心肺蘇生などの医療行為や感染者の咳、くしゃみなどによって発生するエアロゾル粒子(気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子)を他人が吸い込むことで感染します。

マスクは必要か

感染していない方がマスクを着用するだけでは、感染予防の効果は十分ではありません。アルコールによる手指消毒や石鹸での手洗いをこまめにおこなってこそ、マスクの効果があがります。

本来、マスクは感染者が咳やくしゃみなどの飛沫をとばさないように着用するものです。とくに、咳やくしゃみなどの症状がある方は、必ず、マスクを着用してください。

濃厚接触者とは

  • 濃厚接触者とは、感染者に症状がでた2日前から、
    1. 感染者と同居または長時間の接触(車内、航空機内での接触を含む)
    2. 感染者と適切な感染防護なしに診察、看護、介護していた
    3. 感染者の痰や体液などの汚染物質に直接触れた可能性が高い
    4. 感染者と、手で触れることの出来る距離(目安として1m)で、必要な感染予防策なしで、15分以上の接触があった

<参考> 国立感染症研究所 感染症疫学センター(2020年4月20日)

診断

一般の医療機関では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査はできません。 診断方法としては、核酸増幅法 (PCR検査) があり、保健所などを通じての検査になります。

ウイルスの抗原を簡便に検査できるキットが開発されていますが、陽性と判定するには一定以上のウイルス量が必要で、感度はPCR検査に劣ります。また、抗体検査が、すでに感染したかどうかを判定するために試験的に行われています。

患者の鼻腔や咽頭からPCR検査の検体を採取する場合、飛沫からの感染リスクが高くなるため、採取する人はサージカルマスク、眼の防護具(ゴーグルまたはフェイスシールド)、ガウン、手袋を着用する必要があります。

肺炎の画像上の所見としては、両肺の末梢側にすりガラス状の陰影を認めることが多いのですが、新型肺炎だけに特徴的な所見ではありません。胸部X線ではわかりにくく、CT検査で小さな病変がみつかる例もありますが、全員にCT検査を推奨されるわけではありません。

治療

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に効果が確認された治療薬やワクチンはありません。症状に応じた治療が行われていますが、これまでに他のウイルス感染症に開発された抗ウイルス薬などが候補として臨床試験が行われています。 <参考> 日本感染症学会「COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第4版」

  • 投与の対象
    1. 60歳以上で酸素投与が継続的に必要になった方
    2. 糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患・悪性腫瘍・喫煙による慢性閉塞性肺疾患・免疫抑制状態などのある方
    3. 呼吸状態が悪化している重症例
  • 治療薬の候補( )内は商品名
    1. レムデシビル(ベクルリー点滴静注液):エボラウイルス感染症の治療薬として開発。RNAウイルスの複製を阻害。
    2. デキサメタゾン:コルチコステロイドの抗炎症作用によって、有害な炎症反応を予防または抑制する。
    3. ファビピラビル(アビガン錠):新型インフルエンザ治療薬として開発。ウイルスRNAの複製を阻害するため、インフルエンザウイルス以外のRNAウイルスであるCOVID-19への効果が期待されている。
    4. シクレソニド(オルベスコ吸入薬):気管支喘息の吸入ステロイド薬。抗ウイルス作用の報告あり。
    5. トシリズマブ(アクテムラ点滴静注液):関節リウマチなどの膠原病の治療薬。肺炎の重症化と関連するIL-6の作用を抑制。
    6. ナファモスタット:セリンプロテアーゼ阻害薬で、汎発性血管内血液凝固症 (DIC) などの治療薬。COVID-19ウイルスの細胞内への侵入を阻止する効果が期待されている。

予防

かぜやインフルエンザと同様の予防策を行いましょう。

  1. マスクの着用
    • マスクは咳やくしゃみでウイルスなどが飛び散って他人に感染するのを防ぐことが主な目的です。咳やくしゃみなどの症状があるときは、積極的に使用してください。
  2. 石けんやアルコール消毒液などによる手洗い
    • とくにトイレに行くとき、食事の前、鼻をかんだ後、咳やくしゃみをしたとき
  3. 手を洗わずに、目や鼻、口などを触らない
  4. かぜ症状のある方との接触を避ける
  5. 体調の悪いときは、外出しない
  6. よく触るテーブルの表面などは、消毒スプレーでよく拭く
  7. 咳エチケット
    • 咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、他の人に病気をうつす可能性があります。咳・くしゃみをするときは、マスクやティッシュ・ハンカチなどを使って口や鼻をおさえましょう。

「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント

  1. 暑さを避けましょう
    • エアコンを利用する等、部屋の温度を調整
    • 感染症予防のため、換気扇や窓開放によって換気を確保しつつ、エアコンの温度設定をこまめに調整
    • 暑い日や時間帯は無理をしない
    • 涼しい服装にする
    • 急に暑くなった日等は特に注意する
  2. 適宜マスクをはずしましょう
    • 気温・湿度の高い中でのマスク着用は要注意
    • 屋外で人と十分な距離 (2メートル以上) を確保できる場合には、マスクをはずす
    • マスクを着用している時は、負荷のかかる作業や運動を避け、周囲の人との距離を十分にとった上で、適宜マスクをはずして休憩を
  3. こまめに水分補給しましょう
    • のどが渇く前に水分補給
    • 1日あたり1.2リットルを目安に
    • 大量に汗をかいた時は塩分も忘れずに
  4. 日頃から健康管理をしましょう
    • 日頃から体温測定、健康チェック
    • 体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養
  5. 暑さに備えた体作りをしましょう
    • 暑くなり始めの時期から適度に運動を
    • 水分補給は忘れずに、無理のない範囲で
    • 「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度

ご家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる人(以下、感染者)がいる場合、 同居のご家族は以下の点に注意してください。

  1. 部屋を分けましょう
    • 個室にしましょう。食事や寝るときも別室にしてください。
      • 子どもがいる方、部屋数が少ない場合など、部屋を分けられない場合には、少なくとも2m以上の距離を保ったり、仕切りやカーテンなどを設置しましょう。
    • 本人は極力部屋からでないようにしましょう。
      • トイレ、浴室などの共有は最小限にしましょう。
  2. 感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方に(一人が望ましい)
    • 持病のある方、妊婦の方がお世話をするのは避けてください。
  3. マスクをつけましょう
    • 使用したマスクは他の部屋に持ち出さない。
    • マスクの表面には触れない。
    • マスクを外した後は、手指消毒と手洗い。
  4. 小まめにうがい・手洗いをする
    • 洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにしてください。
  5. 日中はできるだけ換気をする
  6. 取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
    • 薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きしましょう。
  7. 汚れたリネン、衣服を洗濯する
    • 体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う際は、手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯し完全に乾かしてください。
  8. ゴミはビニール袋に密閉して捨てる
    • 鼻をかんだティッシュはすぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てください。その後は直ちに手を石鹸で洗いましょう。

<参考> 日本環境感染学会「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項」

新型コロナウイルス感染症で、ご自宅などで療養されている方は、次のような症状を自覚したり、ご家族が発見したときは、すぐに相談窓口などに連絡してください。

  1. 顔色が明らかに悪い
  2. 唇が紫色になっている
  3. いつもと違う・様子がおかしい
  4. 息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
  5. 急に息苦しくなった
  6. 生活をしていて少し動くと息苦しい
  7. 胸の痛みがある
  8. 横になれない、座らないと息ができない
  9. 肩で息をしている
  10. 突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた
  11. ぼんやりしている(反応が弱い)
  12. もうろうとしている(返事がない)
  13. 脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする

<参考> 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養・自宅療養における 健康観察における留意点について」(2020年4月27日)

これまでの経過

2019年12月31日、WHOに、中国湖北省武漢市で新型コロナウイルス感染症の流行が報告されました。ほとんどの患者は魚や獣肉を扱う海鮮市場の関係者で、市場は2020年1月1日に閉鎖されました。当初は、動物からヒトへの感染のみと考えられていましたが、武漢市からのタイや日本への旅行者からも新型コロナウイルスの感染が報告され、ヒトからヒトへ感染が拡大していることがわかりました。

コロナウイルスは多くの種類があり、一部のウイルスはヒトに日常的に感染を起こし「かぜ」の原因になります。しかし、大半のコロナウイルスは、ラクダや猫、コウモリなどの動物の間だけで感染します。ごくまれに、動物のコロナウイルスが変異を起こし、ヒトに感染して流行することが知られています。

これまでにヒトで集団発生を起こした新型のコロナウイルスは、SARSウイルス(SARS-CoV)、MERSウイルス(MERS-CoV)の2種類が知られています。今回の「新型コロナウイルス」は、この2種類とは異なる新しいウイルスです(SARS-CoV-2)。新型コロナウイルスは、動物からヒトへの感染から、ヒトからヒトへと感染が拡大しています。

  • SARS(重症急性呼吸器症候群)は2002年に中国広東省で発生しましたが、コウモリのコロナウイルスがヒトに感染して重症肺炎を引き起こしたと考えられています。
  • MERS(中東呼吸器症候群)は2012年にサウジアラビアで発生しましたが、ヒトコブラクダのウイルスがヒトに感染して重症肺炎を引き起こしたと考えられています。
  • COVID-19:2020年2月11日、WHOは中国湖北省武漢市で発生し、世界的な流行を起こしている「新型コロナウイルス感染症」を「COVID-19」と名付けました。混乱しやすいですが、感染症としての病名が「COVID-19」で、原因ウイルスは「SARS-CoV-2」と呼ばれます。

2020年3月11日、WHO事務局長は、現状をパンデミック(世界的な大流行)であると表明しました。COVID-19は史上初めてのコロナウイルスによるパンデミックとなります。(COVID-19 can be characterized as a pandemic. This is the first pandemic caused by a coronavirus.)

4月7日、政府は、7都府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県)に「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」。4月16日、全都道府県に拡大。

5月14日、北海道・東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪・兵庫・京都を除く39県で緊急事態宣言を解除。5月25日、全都道府県で解除。

<ガイドライン・マニュアル>

<参考>

ラクダ

MERS(中東呼吸器症候群)

2015年6月3日
コロナウイルス

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