妊娠中にインフルエンザにかかってしまった。インフルエンザの薬は飲んでいいでしょうか?
答えは、「飲んでいいんです」
インフルエンザは、まず、ワクチンによる予防が第一です。現在、日本で使用されているインフルエンザワクチンは、妊婦、胎児に影響はなく、また、授乳中の方にも安全に接種できます。
それでも、インフルエンザにかかってしまったときは、インフルエンザの薬(抗インフルエンザウイルス薬)を飲んでかまいません。
また、アセトアミノフェン等の解熱剤を使って、熱を下げることも安全で効果的な治療です。むしろ、適切な治療をせず、母体を高熱のまま衰弱させる方が危険です。
代表的な抗インフルエンザウイルス薬である、タミフル、リレンザ、イナビルによって先天異常の発生率が増加することはありません。
妊娠中の方、出産後2週間以内の方はインフルエンザが重症化しやすいので、インフルエンザ患者と濃厚接触した場合には、リレンザやタミフルなどの予防投与も効果的ですから、医師に相談してください。
抗インフルエンザウイルス薬は、できるだけ早期に、発熱して48時間以内に服用することが大事です。でも、ワクチンで予防し、人混みを避け、マスクを着用するなどして、インフルエンザにかからないのが一番です。
まとめ
- 妊婦へのインフルエンザワクチン接種はインフルエンザの重症化予防に最も有効であり、母体および胎児への危険性は妊娠全期間を通じてきわめて低い。
- インフルエンザに感染した妊婦・分娩後2週間以内の褥婦への抗インフルエンザウイルス薬投与は重症化を予防する。
- インフルエンザ患者と濃厚接触した妊婦・分娩後2週間以内の褥婦への抗インフルエンザウイルス薬予防投与は有益性がある。
<参考>
妊娠と薬情報センター(国立成育医療研究センター)https://www.ncchd.go.jp/kusuri/(2020/1/8閲覧)
産婦人科診療ガイドライン−産科編 2017. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会編 http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2017.pdf(2020/1/8閲覧)
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